みなさんこんにちは。まだまだ世の中は大変な状況ですがいかがお過ごしでしょうか。
ふと思い立ってしばらく連載と言いますか、ビッグバンドの名曲(というより好きな曲?)を紹介していく記事を定期的に出していこうと思います。
今日ではメインストリームのジャンルであるとは言い難く、いつももっと聴いてくれる人がいればなぁと思っていたので少しずつ魅力をお伝えできるよう頑張って書いていきたいと思います。
誰得な自分語りを含めつつですが、ただの大学生がいかにビッグバンドを好きになったのかという実体験も絡んできますのでまぁ少しは面白くなると思います。
・そもそもビッグバンドってなんなの?
割と世間的に知られているところだとディズニーのビッグバンドビートとか映画スウィングガールズとかでしょうか。下の動画において、ミッキーさんたちやダンサーの方々の後ろで演奏していますがまさにこれのことです。たくさんの楽器で演奏していますがオーケストラでもなく吹奏楽でもなく、これはこれでビッグバンドと呼ばれる一つの形式なのです。
元々はジャズ・ミュージカル音楽を軸にアメリカで発展してきた形式・ジャンルです。
トランペット4人、トロンボーン4人、サックス5人、ピアノ、ベース、ドラムという編成が基本で、曲によってはここにフルートやクラリネット、ギター、パーカッションなどが加わったりします。この編成のバンド単体で純粋にインスト音楽として楽しむことは勿論、上の動画のように、歌やダンスと一緒に楽しむショーミュージック的要素も強いです。
本場アメリカにおいてビッグバンドの時代とされるのは1930~40年代で、世界恐慌によって人々は華やかな音楽を求めていた、レコードの普及によって人々が音楽を聴く機会が増え、白人の富裕層がライブでゴージャスな音楽を聴きたがったなど色々な説がありますが、とにかくこの時期にビッグバンドの基礎が出来上がり流行しました。ベニー・グッドマン、グレン・ミラー、デューク・エリントン、カウント・ベイシーという名前を聞いたことがありますか?彼らは皆この時代に活躍したビッグバンドリーダーで、いずれも名門と呼ばれるビッグバンドを従えていました。これらのビッグバンドの曲は現在でもバイブルとしてよく聴かれ、そして演奏されています。
黎明期には管楽器のゴージャスな響きとスウィングと呼ばれる軽快なリズムを軸に演奏され、それをバックにダンスをする、という楽しみ方が主流だったようです。つまりは今でいうところのEDMのようなダンスミュージックだったわけですね。
その後、ジャズの発展とともに「聴く」ことに軸が置かれるようになり、ビッグバンド単体でのライブ、時折ゲストとしてヴォーカルが加わるというスタイルが確立されていきます。その華やかさから、上のビッグバンドビートのようにショーのバックバンドとしてもよく登場していました。
日本においては戦後アメリカの文化が流入してくるのと同時にビッグバンドも伝播し、ベニー・グッドマンやグレン・ミラーといったバンドが主に流行したようです。
その後、昭和歌謡の最盛期には歌手のバックバンドとして活躍し、テレビの音楽番組ではその姿を見ない日はないほどだったそうです。ぼくのような若い世代でもパッと思いつくような曲だと布施明さんの「君は薔薇より美しい」などが挙げられます。この曲のアレンジには王道のビッグバンドサウンドが用いられています。
80年代に入ると電子音楽やバンドブームによって歌謡曲が下火になり、それとともにビッグバンド形態の維持が難しくなっていきます。大編成なのでお金がどうしてもかかってしまうのです。その結果テレビなど大勢の人が見ている中での演奏というのが減ってしまいました。
今日では打ち込み技術の発展もありますます演奏機会が減っていますが、一方で生のビッグバンドサウンドが再び注目され始めているような気がします。椎名林檎さんは「獣ゆく細道」「女の子は誰でも」などにみられるようによくビッグバンドサウンドを楽曲に取り入れてますし、任天堂のゲームBGMにも生演奏で収録したビッグバンドサウンドが使われていたりイベントではNINTENDO SPECIAL BIGBANDなるものを結成してライブを行っていたりします。最近だとスーパーマリオオデッセイの「Jump Up, Super Star!」が流行ったりしてましたね。テレビ番組やCMでは「Dinner With Friends」や「Little Brown Jug」など上記に上げたアメリカの名門ビッグバンドの曲がBGMでよく使われていたりするので、実は気付いていないうちに皆さんビッグバンドを聞いていると思います。
と、長々概要と歴史を解説してしまいましたが、百聞は一聴に如かず?まずはこの曲をご紹介して本日の〆とさせていただきます。カウント・ベイシーオーケストラの「April In Paris」です。
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